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クリプキ、と言えば、日本ではヴィッゲンシュタインの「誤解者」、および記述理論の革新者という哲学がらみの側面が有名なのだろうが、クリプキと言えばおれにとって「様相論理に意味論を供給した人」である。
そんなクリプキが、プール=エルという人と組んで、「算術を含むどんな理論も、それら理論の文と文を対応させる原始再帰函数を通じて同型になっている」という、ある意味とんでもない定理を証明していることを先日知った(原論文はこちら。いちおうリンクしときますけど、学外からは閲覧不可、かもしれませんので、その場合はご容赦を)。
たんにおれがうかつなだけなのかもしれないけど、結果の重大さに比して、あまりこの定理は知られていないような感じがする。何か、いろいろと応用が利く、というか、副次的な結果がもっと得られているにちがいないので、ちょっと調べてみよう。
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こんにちは、お邪魔します。
僕はこの辺に関しては全く不勉強なので見当違いかもしれませんが、このエントリを見る限り、もしかするとこの定理は「クリプキをヴィトゲンシュタインの『誤解者』とみる人」よりずっとヴィトゲンシュタインの哲学的なやり方に沿っているんじゃないか、という印象を受けました。
的外れなコメントでしたらすみません。でも、もしかすると大発見になるかもしれませんね。
僕はこの辺に関しては全く不勉強なので見当違いかもしれませんが、このエントリを見る限り、もしかするとこの定理は「クリプキをヴィトゲンシュタインの『誤解者』とみる人」よりずっとヴィトゲンシュタインの哲学的なやり方に沿っているんじゃないか、という印象を受けました。
的外れなコメントでしたらすみません。でも、もしかすると大発見になるかもしれませんね。
zzyさん、どもです。
まず、文中で「ヴィッゲンシュタインの『誤解者』」なる、一様にネガティヴなイメージをあたえかねない呼称をクリプキに冠してしまいましたが、クリプキがそのヴィッゲンシュタイン本でなしたウィッゲンシュタイン解釈は間違いであることはもはや議論の余地がないにせよ、クリプキの解釈によるヴィッゲンシュタイン、およびそれをめぐる議論はたいそう魅力的なものであるので、クリプキが解釈したヴィッゲンシュタインは「クリプケンシュタイン」なる絶妙な名前で業界内では親しまれています(たしか、飯田さんも講談社ヴィッゲンシュタイン本でこの話にふれていた、かな)。
さて、それで、如上の定理は「誤解」どころかヴィッゲンシュタインの本懐に沿っているのではないか、というzzyさんの印象ですが、そうですね、話を「前期ヴィッゲンシュタイン」、つまり「論考」期に限定すれば、これは写像理論まんまなわけで、「私の言語の限界が私の世界の限界である」(TLP5.6)を裏書きするもの、のようにも思われます。
ただ、どうでしょう、「後期ヴィッゲンシュタイン」は「前期」の自分を、つまりその写像理論を捨てたということはべつにしても、この言語この世界の公理化可能性というべらぼうな難題がこの定理をヴィッゲンシュタイン流のやりかたで哲学的に応用するさいに立ちはだかっているので、この定理(に限らず、論理学や数学など、公理化されたシステムの理屈)を哲学的に応用するには、じゅうぶんな注意が必要です。
ゆえに、ひとまず哲学的応用云々は措いて、論理学内でのこの定理のインパクトやその後を探ってみたい、と思っている次第でございます。
まず、文中で「ヴィッゲンシュタインの『誤解者』」なる、一様にネガティヴなイメージをあたえかねない呼称をクリプキに冠してしまいましたが、クリプキがそのヴィッゲンシュタイン本でなしたウィッゲンシュタイン解釈は間違いであることはもはや議論の余地がないにせよ、クリプキの解釈によるヴィッゲンシュタイン、およびそれをめぐる議論はたいそう魅力的なものであるので、クリプキが解釈したヴィッゲンシュタインは「クリプケンシュタイン」なる絶妙な名前で業界内では親しまれています(たしか、飯田さんも講談社ヴィッゲンシュタイン本でこの話にふれていた、かな)。
さて、それで、如上の定理は「誤解」どころかヴィッゲンシュタインの本懐に沿っているのではないか、というzzyさんの印象ですが、そうですね、話を「前期ヴィッゲンシュタイン」、つまり「論考」期に限定すれば、これは写像理論まんまなわけで、「私の言語の限界が私の世界の限界である」(TLP5.6)を裏書きするもの、のようにも思われます。
ただ、どうでしょう、「後期ヴィッゲンシュタイン」は「前期」の自分を、つまりその写像理論を捨てたということはべつにしても、この言語この世界の公理化可能性というべらぼうな難題がこの定理をヴィッゲンシュタイン流のやりかたで哲学的に応用するさいに立ちはだかっているので、この定理(に限らず、論理学や数学など、公理化されたシステムの理屈)を哲学的に応用するには、じゅうぶんな注意が必要です。
ゆえに、ひとまず哲学的応用云々は措いて、論理学内でのこの定理のインパクトやその後を探ってみたい、と思っている次第でございます。
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