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「ブラックメタル」という音楽がある。「メタル」と付いてはいるが、はっきり言ってメタルでも何でもない(少なくとも、おれが好んで聴いているブラックは)。だから、「メタル」という言葉に固有であるような音像を思いうかべてこれを聴かない、というのは、じつにもったない話でもあるので、ここに紹介する。
さて、ひとくちに「ブラックメタル」と言っても、そのなかにまたいろいろと区分けがあるのだが、おれが好んで聴いているのはいっぱんに「プリミティヴブラック」と呼ばれているもので、特徴は、シャリシャリしたギター、もったりとしたドラム、ただただ泣き叫び喚いているかのごときヴォーカル、そしてそれらを取りまとめる劣悪な録音、というもので、プリミティヴのなかでもとくに「あんまり」なものは「病みブラック」と称せられ、ふつうのレヴェルで言えば「一般流通させるものではない」というすばらしい出来上がりになっている。
そうした病みブラックのなかでもとくにぶっ壊れているのがフランスのMütiilationで、セカンドRemains of a Ruined, Dead, Cursed Soul 劈頭、呪詛のようなヴォイスが立ちのぼり、突如バーストするさまはカッコイイとしか言いようがない。録音・演奏とも、「ひどい」の一語で済んでしまうすばらしさ。残念ながら入手は困難なようだが、これは嫁(もしくは旦那)を質に入れてでも入手すべきアルバムだろう。ちなみに、Mütiilationの(元?)メンバーがやっているNuit Noireという「ブラックパンクバンド」もほれぼれするようなポンコツっぷりで、こちらはまだ入手がそれほどむずかしくないので(Obliterationで再入荷してました)、とりあえずNuit Noireで「来るべきMütiilation聴取体験」に向けて予習をしておく、というのもアリである。
また、病みブラックではSortsindも外せない。上のMütiilationに比べるとじゃっかんトラディショナルなメタルテイストが感じられたりするけど、ヴォーカルなんてそれだけ取り出したら、そこいらのノイズミュージシャンの絶叫と変わりありません。「稲川淳二の怖い話のテープ(よくファミレスとかで売ってるやつ)よりも怖い」と言われてたりするけど、そういうもんではない、と思う(まあ、ノイズとかも人に聴かせると「こわい」と言われたりすることがままあるんで、そういうもんなのかもしれんが……)。
というわけで、続けて「アンビエントブラック編」も書こうと思っていたのだけど、長くなってしまったので、それは今日夜半、ということで(ちなみに、今日もまた、物書きをしながらでもブラック特集をウェブキャスティングのほうでしちゃうかもしれません)。
ひるがえって、グラインドとかブラックとか、あとスラッシュの一部とか、もはや「メタルだかなんだか」という展開をしてたりするので、まあ、固有のメタルリスナーではないぼくとか長谷部さんとかにとっては、逆に聴きやすい、ですよね。まあ、Mutiilationなんかを「聴きやすい」ものとして受け取る、というのは、それはそれで問題あり、なのかもしれませんが。
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