[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「方向性」のことを「ベクトル」と言う人がいる。もちろん、聞いてるこちらとしても、日常の文脈で「ベクトル」という言葉が出てくれば、あのベクトルのことではなく、たんに「方向性」の衒学的言いかえなんだな、とは思うものの、やはり、「方向性」のことを「ベクトル」と言いかえる人に出くわすと、「ほう、あなたにとって『方向性』とは、加法が定義されている概念なんですね?」と、悪態のひとつでもつきたくなる。
「異端」の数学者・佐藤幹夫に「数学を考えながら、いつのまにか眠り、朝、目が覚めたときは既に数学の世界に入っていなければならない」(出典)という名言があるが、おれの場合、何か取り組んでいる問題があると、目が覚めているとき、つまりは、「朝、目が覚め」てから、夜、「いつのまにか眠」るまでは言うに及ばず、寝ているあいだにもずーっとその問題を考えつづけてしまうので、なかなかにたいへんな時を過ごすことになる。
もちろん、「寝ているあいだにもずーっと問題を考えている」とはいえ、「寝ている」ことにはかわりなく(眠りながら、よく、「ああ、おれはいま寝ているんだな」と思うことがある)、そういう意味ではべつだん大したことはないとも言えるのだが、やはり寝ているときぐらいは安らかに、うつつを離れて(ということは、日中考えている問題を離れて)眠りたいものだ、と思う。寝ながら考えたことは、そのときには「これはいい考えだ」と思っても、起きてからその「いい考え」を覚えていることはまれであるし。
当初は「カント美学の現代性」とでもいったお題で書こうとしていたペーパーに、予想どおり「テーマでかすぎ」とのツッコミが入ったので、けっきょく『判断力批判』第59節(つまり、『判断力批判』前半「美的判断力批判」のいっちゃん最後のほう)の「道徳性のシンボルとしての美」についてexclusiveに書くことにしました。
この「道徳性のシンボルとしての美」の箇所も、カントさんの書きものを読むさいにいつも感じる「表面上はきっちり書かれてるんだけど、でも、どこかになぁんか『抜け』があるよなあ」感がたっぷりな、つまりは一読「よう分からん」というものなのですが、「美的判断のアンチノミー」やら何やら、おもしろそうではあります。
さて、がんばろう。
このあいだの/.Jで「めずらしい遅刻の言い訳10選」のようなものを見かけ、それがちょっとおもしろかった、というか、興味深かったので、紹介。
まずは、問題の「めずらしい遅刻の言い訳10選」を見てもらいましょう。
ゲーデルのontological argumentについてのペーパーのために、以前ここでその「口語ヴァージョン」を書いたときには端折ってしまった「実在的性質の閉包原理と神の存在可能性が同値であること」の完全な証明を書き下ろしているんですが、ふと、ノートに何ページにもわたって書きなぐられている記号列が、何とも言えない(じゃっかんわるい意味での)「凄み」を放っていることに気づき、さらには「こんなもん読まされる先生もたまったもんじゃないな」とも思ったので、すこしばかり勢いを弱めたほうがいいのかもしれません。
よく知られるようにオッカムは、ある理論の構築にあたって必要以上の仮定を持ち込むことを嫌い、同じものごとを説明するのに同等の威力を持つ2つの理論があった場合、より少ない仮定で済むほうを選ぶべき、と主張した。そして、このオッカムの原理によって退けられるのは、プラトンのイデア論と相場は決まっている。
エントリタイトルどおりのしろものを作成しておりました。時間がなくって、アウトラインを作成した範囲でいちばん重要な第9節なんてヒサンなことになっていますが、興味がある人もいないではなかろう、ということで、一般公開します。タイポや、「ここは、アウトラインにしても、さすがにあんまりなまとめなんじゃない?」というところがあれば、ぜひ指摘してください。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
音
雑
虫
技術
『スペクタクルの社会』を読む
ドゥルーズ講義録
電波
趣味の数学
趣味のゲーデル
『プリンキピア・マテマティカ』を読む
自己紹介もどき
ブログペット俳句
芸術一般
言語ヲタ
お客様
GRE CS
留学
Boing Boing
映画
ちょっといい話
かなりダメな話
魂の叫び
哲学と数学
論文
引用
「いい」とも「ダメ」とも言いがたい話
悲喜こもごも
証明論
ポエム
書物への呪詛
言わずもがななことではあるけれどときに忘れてしまうこと
何か無駄なことをしよう
日々
趣味の勉強
夢
ブログの記事
翻訳
勉強
不眠
文房具
ライフハック
育児
thayashi#ucalgary.ca
(#を@に置換してください)
このブログで紹介したことのある本をランダム表示。
このブログで紹介したことのある音をランダム表示。