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「たしかにぼくは、起きている時間のなかで活字にふれている割合は人より多いかもしれないけど、それはあくまである種の『致し方なさ』によってしからしめられたことであり、端的に『本が好き』というのとはちょっとちがう」と書いたけど、それでも、ぼくにだって好きな本の一冊や二冊ぐらいはある。小さいときは、ディズニーのキャラクターがフィーチャーされた、おそらくは英語圏の幼稚園から小学校低学年にかけての人が英語や英語圏の習俗・文化を学ぶのにつかうのであろう、赤い表紙のやや大判の本が、好きだった。おそらく、ぼくの人生のなかで、本を補修しなければならないくらい読みこんだ本というと、この本だけということになるだろう。

その本は、細かいところまで気が配られており、何がかかれているのかじっさいのところはよく分からずとも、見ているだけでじつにたのしかった。そのなかでも好きだったのが、何が書かれているのか少しは分かることもあってか、クリスマスのページで、とくに、何か円筒形のものをめぐってたのしげなてんやわんやがくりひろげられている様子を見ては、クリスマスの心浮き立つ感じを味わっていた。(後年、その円筒形のものが「クリスマス・クラッカー」というものであることを知ったのだけど、北米で友人のクリスマス・ディナーに招かれたおり、このクリスマス・クラッカーが一人に一個づつ座席に配置されているのを見て、しずかな感動を覚えたのを覚えている)
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古典ギリシャ語やラテン語を学ぶ人は誰でもいちどはお世話になったことがあるであろうローブ古典叢書が電子化されていました。学校によっては図書館がハーヴァード大学と契約を結んでいるので、そのような学校に通うさいわいな人は学校図書館を通じてこの電子版ローブ古典叢書を閲覧できるはずですが、そういう僥倖に浴することができない人も、ローブ古典叢書を全巻買いそろえることにくらべればひじょうな安価(初年度は150ドル、次年度から65ドル)でハーヴァード大学と年間契約を結んで電子版ローブ古典叢書を閲覧することができます。興味のある人はまず、電子版ローブ古典叢書の紹介ページを見てみて、しかるのち、じっさいに電子版ローブ古典叢書を試してみることをおすすめします。(ぼくは試してみたのち、矢も楯もたまらず、即契約を結んでしまいました)
浅田彰はマルクスの『資本論』について「どう考えても寝っころがって読むように書かれているし、そういうふうに読むとばつぐんにおもしろい」というようなことを『逃走論』のなかで書いていた。ここで『資本論』は、ぼくにとってもあなたにとっても、そして浅田彰にとっても「寝っころがって読むべき本」とされているのだけど、ぼくには、『資本論』が浅田彰にとって「専門にかかってはいるけどど真ん中というほどではない本」であったがゆえにそれはひとしお「寝っころがって読むべき本」としてあったように思われる(たしか、浅田彰の専門はゲーム理論で、そして、現代的なマルクス経済学のとり扱い(とくに「分析的マルクス主義」と言われるそれ)にあってはゲーム理論が重要な役わりを果たすことがおおい)。

このあいだ「欲しいけど高い本」として紹介したバートランド・ラッセル著作集第5巻『プリンキピア・マテマティカに向かって』はまさに、ぼくにとって「専門にかかってはいるけどど真ん中ではない本」であり、ゆえに寝っころがって読まれるべきものだ。ただ、くだんの本を学校の図書館から借りてきたのだけど、分厚さもあることながら、使われている紙がそれなりの上質紙で、そのことも本の重さに拍車をかけており、寝っころがって読むことはほとんど不可能のように思われる(いまこころみに重さを計ってみたら、1.8 kg あった)。だから、それを寝っころがって読めるようにするためには、(1) えっちらおっちらスキャニングする、(2) 電子書籍版を買う(そして、あまり実現可能性のないものとして (3) 腕力を鍛える)ということが考えられるのだけど、(1) は「そんな時間あるのか」という感じだし、(2) は「電子書籍にほとんど4万もつぎこむのはいかがなものか」と思ってしまい、けっきょくふりだしに戻る。
最近は、こんな感じ。
まあ、何と言うか、「いかにも」というラインナップですね。
ぼくは、中世哲学にかんして専門的なことはほとんど知らないので、以下でおすすめする本も、「専門的に見てしっかりしている/ためになる本」というより、「たんじゅんに読んでたのしかった本」となりますが、「中世哲学は気になるけど何から読んだらいいのか分からない」という人にとって、中世哲学の門をくぐるとっかかりになればさいわいです。
 The Collected Papers of Bertrand Russell, Volume 5: Toward Principia Mathematica, 1905–08
Bertrand Russell
(Routledge, 2014)
ページ数をかんがえると、この手の本としては相場値段なのかもしれませんが、一冊の本に出す金額としては、ちょっと高いですよねえ。まあ、すぐ読めるわけでもないので、値崩れするのを待ちましょう。
ぼくが籍をおいている大学の図書館は、教員/大学院生への貸出しにかんしては、冊数無制限、かつ期限も何回でも延長ができるのでじっしつ無期限に借りていられるという夢のような環境(ぼくがアメリカで行っていた大学の図書館もそうだったので、北米ではこれがたぶん一般的なのだと思う)なのだけど、借りている本に他の人から請求がくることがあり、その場合、請求がきた時点から二週間以内にその本を返さなければいけなくなる。そういうとき、「うわあまだ読んでないよ」と大あわてでその本を読まなくてはならず、やや困ったことではあるのだけど、と同時に、「この本を読もうという人が他にもいるのか」と、ちょっとたのしい気分にもなる。
Twitter で「#本棚の10冊で自分を表現する」というのが流行っていたようなのでそれに乗じて「自分を表現する10冊」を選んでみようと思ったのですが」を書くにあたって、「わが(知的)半生」シリーズをあらためて見かえして、いわゆる「文系」的な書籍にほとんどふれていないことに気づきました。ゆえに、機を逸した感がまんてんですが、大学以降(じっしつほぼ大学時代)に読んだ「文系」的な本で、印象に残っているものをつれづれに書き記します。
はたと「表現するべき自分」などというものはないことに気づき、選べませんでした。

また、「自分を表現する」ということを、それが妥当かどうかはともかくとして、「現在の自分をかくあらしめた」と解釈しなおせば、そういう本はこれまで何度か紹介しているので、あらためて選ぶまでもない、とも言えそうです。

参考までに、「現在の自分をかくあらしめた本」についての記事を羅列しておきます。これら記事で紹介された本(プラス・アルファ)からさらに精選して、「100回ちかく通読した」と言えるようなものを10冊選ぶとすればといった感じでしょうか。(もっとも、これら10冊がぼくを表現しているかどうかはよく分かりませんが)
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